次に、このシステムの各装置が作動している確認は指令課でできるのか伺います。指摘を受けた藤塚地区の
屋外拡声装置からの避難警報は確かに発せられたのか伺います。
本市は、補正予算でこのシステムが破壊された海岸部の再設置を計画いたしております。津波によって破壊された屋外装置を回収し、作動したかどうか検証すべきであります。御所見を伺います。
また、設置位置に関して、今回の反省を踏まえれば
県道塩釜亘理線以西にも必要になると考えます。さらに、名取川の津波遡上の状況を見れば、国道四号線を越え、約八キロメートルに及ぶことが確認できます。本河川内には優良農地も多く、市民の安全を考えればより上流部への設置も必要と考えますが、ともに御所見を伺います。
関連して、本市の
津波情報伝達システムの
パンフレットについて伺います。
まず、
パンフレットの作成の趣旨について伺います。
パンフレットは、
津波警戒区域の住民すべてに配布されたのか、また、
津波警戒区域より西部の市民への配布はあったのかお知らせください。さらに、
パンフレットは総数で何部くらい発行されたのか伺います。
A3二つ折り、四ページの
カラー刷りの表紙には、地域の暮らしを守るために、仙台市
津波情報伝達システムとあります。また、二ページ目のタイトルに、安心して住める街に、
津波情報伝達システムともあります。これを手にした市民は、絵があり、写真と
津波警戒区域の地図が掲載され、見やすくなじみやすい
パンフレットで、津波警報が鳴ったときどう対処し、家族とみずからの生命、財産を守るのかの情報を得ていたのだと思います。
具体に
パンフレットの四ページに、
津波警戒区域とは、として説明があります。
七北田川以南に限って申し上げれば、本市は、津波による危険想定を行い、
津波危険区域、貞山堀より東側約三百メートル、赤斜線で表示と、要避難区域、貞山堀より西側約三百メートル、青斜線で表示を定め、両者をあわせて
津波警戒区域として津波対策を説明しております。
また、津波予報の説明によれば、発表される津波の高さ五十センチメートルまでの
津波注意報と一メートルから二メートルの津波警報、三メートルから十メートル以上の大津波警報とに分けております。
津波警報が発表されたときは、
津波警戒区域で浸水のおそれのある区域、すなわち
津波危険区域の貞山堀東側三百メートル、大津波警報が発表されたときは、この二つの区域、すなわち貞山堀から東側と西側のおのおの三百メートルの区域の方々は、
津波警戒区域から内陸部か
指定避難場所に避難してくださいとあります。
しかし、
県道塩釜亘理線沿線とその県道沿線より西側については、大津波の発表される高さとして、三メートルから十メートル以上と記載してあるにもかかわらず、
津波警戒区域としての文言は一切なく、むしろ津波の
避難場所的位置づけと読み取れます。
また、
指定避難場所である
荒浜小学校が要避難区域に入っていることは不可解であります。一帯は平たん地で、校舎屋上こそ避難場所であります。
パンフレットの津波予想の種類と解説の項目では、大津波は高いところで三メートル以上の津波が予想されますので、厳重に注意してくださいとあります。しかし、発表される津波の高さは、三メートル、四メートル、六、八、十メートル以上とあります。当局はたびたび想定外との言葉を繰り返していますが、八メートル、十メートル以上の津波はここで確かに想定していると市民は受けとめたはずであります。
しかし、本市の
パンフレットの
津波警戒区域地図を見れば、当初から三メートル程度の大津波しか考えていなかったことがうかがえます。このたぐいの
パンフレットには誤りや錯誤があってはなりません。これは瑕疵のある
パンフレットであります。御所見を伺います。
私の主張したいことは、明らかにこの
パンフレットから市民が津波の脅威と避難の重要さを軽く見る結果になってしまったのではないかということであります。
荒浜小学校は
津波警戒区域に入っている
指定避難場所です。一時は、
津波警戒区域も含め周辺から多くの市民が、
荒浜小学校校舎屋上ではなく、校庭に避難したそうであります。しかし、地震発生から三十分過ぎても五十分過ぎても何事もなく、携帯ラジオなどで大津波警報だけ流れていたので、自宅へ戻りかけ、あるいは戻った方もあったと聞きました。津波の襲来とともに校舎屋上へ急ぎ駆け上がったとのことですが、見る見る流されていった方々もあったと聞いています。
津波警戒区域に指定されていた住民の方々も指定されていない住民の方々も、
パンフレットで得た情報で心理的にも意識的にも無防備で、多くの犠牲者を生む遠因になったとも懸念されます。今回の大津波を教訓に、より適切な
パンフレットをつくるべきであります。御所見を伺います。
津波広報伝達に関連して、次に消防ヘリの
避難広報活動について伺います。
本市消防ヘリは、現在二機体制であります。
消防ヘリの役割は、一つに人命救助、二つに偵察による早期の状況把握と現地または
災害対策本部への迅速な情報伝達、三つに避難等の広報活動と、この三点であります。
大津波警報が気象庁から発表されると、消防局の親局は三分後に
津波情報伝達システムを起動させることは前にも申しました。しかし、故障または地震により破損、停電があれば、多くの市民は情報を得られません。そうした中で広域的にカバーできる消防ヘリの
避難広報活動は大変重要であります。
このたびの津波は、地震の発生から本市の海岸線に到達するまでほぼ一時間を要しております。震源地が海岸から約百三十キロと推定されていますので、津波は時速百三十キロであったと推測されます。
消防ヘリが
格納庫待機場から飛行までの所要時間は、おおむね二十分は要するとのことであります。この二十分のうち、五分は格納庫からエプロンへの移動時間とのことであります。今回の津波の場合、地震の発生から津波の到達時間を逆算して、市民が避難に要する時間を仮に三十分と仮定した場合、ヘリの離陸までに二十分、したがって、ヘリの
避難広報活動に与えられる時間はわずか十分であったと考えられます。
ヘリは、発災時、いかに早く飛行し情報を把握し、
避難広報活動を行うかがヘリの担う役割と考えます。その意味では時間との戦いとも言えます。自衛隊においては、スクランブル、緊急発進という態勢があると言われていますが、本市において緊急飛行にどのような努力をされておられるのか伺います。
ヘリを格納庫からエプロンに牽引するのに五分を要すると言われますが、緊急発進、災害出動に備え、エプロンに待機して飛行のための時間短縮を図るべきと考えますが、御所見を伺います。
エンジンなどの
機体チェックの十五分は安全上必要であると言われますが、一度チェックした
エンジン等の有効時間はどうなのか。すなわち、
エンジンチェック後、あるいは
ヘリポートに着陸後、仮に三十分後など短い時間の後の再飛行の場合も同様のチェックが必要なのかどうか伺います。
地震当日、避難飛行が行われたと聞きますが、全く気づかなかった方も多くいたようであります。今回の津波ではどのように広報活動が行われたのか伺います。
広報活動は
津波警戒区域が中心だと思いますが、飛行高度、飛行範囲、また、
県道塩釜亘理線と
仙台東部道路の間への広報活動もできたのでしょうか、伺います。
津波情報伝達システムは、毎週日曜日正午、試験広報があります。しかし、ヘリは住民との避難広報の試験飛行は全く行っていないと聞いています。災害時は地上の混乱もあり、また消防ヘリのローターによる騒音で広報活動の効果がなかなか発揮しづらいと思います。だからこそ、これからはぜひ市民と消防ヘリによる試験飛行を実施すべきと思いますが、御所見を伺います。
本市消防ヘリは二機体制であります。二番目に飛んだ消防ヘリについて、三月十一日、このヘリが地震発生から五十五分後、津波到達九分前の三時四十分に離陸したと記録がありますが、ともすれば、県の防災ヘリと同様、津波に破壊される紙一重での飛行でありました。なぜ離陸がおくれたのか、お示しをいただきたいと思います。
今回の大津波で宮城県沖地震のプレートも同時に動いたとする説もあります。まだ統一見解にはなっていないようであります。想定の話で恐縮ではありますが、宮城県沖地震の再来確率が従来どおりであり、それが大津波を伴う地震となった場合、宮城県沖地震のプレートは海岸線より五十キロメートルから、遠いところで百キロメートルと言われ、津波の到達時間は、時速百三十キロメートルで進んだとして、最も早くて二十三分から遅くても四十六分以内と想定されます。したがって、消防ヘリによる
津波避難広報はフライトまで二十分を要するわけですから、津波到達まで三分から二十六分の余裕しかなく、市民が安全な場所に移動するための情報伝達の時間的余裕はなく、ヘリは津波による被災状況の把握と被災後の救助活動になってしまうことが懸念されます。
また、今の体制では、二番目の消防ヘリはフライトが間に合わず、津波により破壊されることになる可能性が高いと考えられますが、この認識でよいのか伺います。
次に、
荒浜消防ヘリのキャンプと申しますか、ヘリ基地の適格性について伺います。
荒浜ヘリポートは、一つに、
防潮保安林の消滅により潮風が機体に与える悪影響。二つに、盛り土はしてあるが、海抜四・九メートルであります。津波の直撃を受ける位置にあること。ちなみに、今回の津波は高さ七・二メートルとあり、管制塔の施設は海水につかり使用不能になったこと。三つに、現在の格納庫から牽引によるヘリの移動では時間を要し過ぎること。四つに、宮城県沖地震の津波が同規模であることを想定した場合、二番目の消防ヘリが津波で破壊される確率が高いこと。以上のことから、
荒浜航空分署はヘリ基地としての立地にはリスクが多く、別の場所に移動を検討すべきと考えますが、御所見を伺います。
消防ヘリの最後に、本市のヘリ一機に
パイロット二人体制について伺います。
本市のヘリは、安全飛行を旨として、ヘリ一機に対し
パイロット二人体制で運用しています。しかし、聞くところによれば、ヘリを持つ自治体の多くは
パイロット一人体制であります。本市も将来、計画的にヘリ一機に
パイロット一人体制に移行すべきであります。そうすることにより、ヘリ二機の有効活用を含め、本市の行財政改革にも貢献できると考えるからであります。見解を伺います。
終わりに、
社会福祉活動団体に対する補助金の交付について伺います。
私どもの所属する団体は、社会を明るくする
運動地区推進委員会並びに
地区児童福祉協議会であります。発足は規約によればともに昭和三十九年とありますから、四十七年間にもわたり活動を続けてきた団体であります。
社会を明るくする運動は、法務省が主唱し、本市が協賛実施をしている事業であります。
児童福祉協議会は、仙台市が
児童福祉法の理念に基づき行っているものであります。二つの組織は、規約の目的にのっとり活動をしております。まさに本市の官民協働の
まちづくりの原型的組織であります。
両会の会員の構成は、保護司、民生委員、各町内会長、各小中学校長、警察署長、
児童館館長等々、組織の責任者の方々であります。この二つの組織とも、街頭活動を柱に研修活動として講演会を年に数回、さらに、小中学校の児童生徒と保護者の協力をいただき、家庭と地域社会に対する感謝と願いを込めた
標語作成等を実施しながら、子供を取り巻く社会環境の動向を学び、町内会など各委員会の所属する組織団体の中で生かしていただくという
啓発活動的位置づけをいたしております。
この団体への補助金の交付についてであります。 数年前より、事業が終了してから事業報告と領収書、その活動を証明する写真等を添付して申請しなければ補助金の受領ができなくなりました。このことについては再三改善をお願いしてまいりましたが、受けてもらえません。少ない資金の中で活動事業は大変であります。活動報告がなければ補助金の交付ができないという論理は理解できません。
そもそもこれらの事業は国の推奨事業であり、本市がこれを受けて地域社会にお願いをし、実施している事業であります。この事業は、本来行政が担うものと思います。しかし、行政には人的にも財政的にも限界がありますので地域に協力をお願いしていることで、市民から興した事業ではありません。
ちなみに、課題の
活動補助金の交付額につきましては、社明が年間一万八千円、
児童福祉協議会は二万六千円であります。
役員の間では、使命感を持って事業を担っているが、何か不正を疑われているようで不愉快、また、このような仕方をされてまで交付金をいただき活動をしなければならないのか、情けないとこぼしております。
小さな予算の中で知恵を絞り、活動に意義を感じ使命感をもって社会奉仕をしております。ぜひ補助金の交付を本来の給付の仕方に改めていただきたいと思います。
あわせ、当局は本市の
補助金等交付規則をどのように解釈、運用してきたのか、説明を求めます。
市長は協働の
まちづくりとよく言われますが、協働の
まちづくりの原点は、民と官の信頼関係がなければ効果を上げることはできないと思います。本市の各種団体に対するこれからのスタンスのこともありますので、できればぜひ市長の御答弁をいただければと思うところでございます。
以上、一般質問といたします
御清聴ありがとうございました。(拍手)
5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの
高橋次男議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、
津波情報伝達システム及び
消防ヘリコプターについてのお尋ねでございました。
このたびの
東日本大震災では、巨大な津波によりましてまことに多数の市民の皆様がお亡くなりになりましたことは、まことに私といたしましても無念でございまして、心から御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。
津波に対しましては、これまで市域に予測される津波被害の想定を実施しますとともに、
津波情報伝達システムの整備などさまざまな取り組みを行ってきたところでございますが、今回の震災では結果として不十分な面が多々あったものと認識をしているところでございます。
今後、今回の教訓を踏まえまして、国や
学術研究機関での調査、研究の動向などを注視し、新たな知見を取り入れ、
震災復興計画等と整合性を図りながら、
津波情報伝達システムの再整備など必要な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。
また、
消防ヘリコプターにつきましては、
消防ヘリポートを整備し二機体制とするなど、本市の
航空消防体制の強化に努めてきたところでございますが、このたびの震災で
ヘリポートが被災し、活動拠点の確保が喫緊の課題となっているところでございます。
私自身も、発災翌日の三月十二日の早い時間帯に
仙台東部道路に赴き、まだ浸水が大変おびただしい
津波被害水域の中で助けを求めていらっしゃる住民の皆様を、
消防ヘリコプターがお一人お一人と救助しながら、道路上に救助してくるという光景を目の当たりにいたしまして、改めてこうした大災害のときにおける
消防ヘリコプターの存在の大きさを実感したところでございます。
今回のような大災害に迅速、的確に対応してまいるためには、安定した
消防ヘリコプターの活動拠点の確保が重要でございますことから、このたびの震災対応を検証することとあわせまして、本市の
消防航空体制を早急に再構築してまいりたいと考えているところでございます。
このほかの御質問につきまして、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
6:
◯子供未来局長(佐藤清)
社会福祉活動団体に対する補助金の交付についてお答え申し上げます。
社会を明るくする
運動推進委員会や
児童福祉協議会の活動に対する補助金につきましては、
補助事業終了後、提出された
実績報告書及び関係書類を審査の上、補助金額を確定し交付するということを原則としつつも、それぞれの活動状況により必要に応じて概算で支払う方法も活用するなど、柔軟に対応することも大切であると認識しております。
多様化、複雑化する地域課題に対しましては、行政主導の対応だけではなく、さまざまな課題に使命感をもって当たられている地域の皆様のお力をおかりしながら、その解決に向けて取り組んでいくことがますます重要になってきておりまして、今後ともそうした方向で積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
7:
◯消防局長(高橋文雄)初めに、
津波情報伝達システムについてのお尋ねにお答えいたします。
まず、
津波情報伝達システムの設置状況とその被害についてでございます。
津波情報伝達システムの
屋外拡声装置につきましては、宮城野区及び若林区の
津波警戒区域内及び津波遡上が予想された名取川、
七北田川沿いの地域に合計五十基設置しておりました。
このたびの津波により、現在、三十三基の
屋外拡声装置が被害を受け使用できなくなっているところでございます。
次に、
屋外拡声装置の耐震強度でございますが、装置は、アンテナ、
バッテリーを含め震度六強に耐え得る強度を持たせた設計となっております。
次に、
屋外拡声装置の作動の確認についてでございますが、本システムの機能では、指令課に設置している親局でその作動状況を確認することはできない仕組みとなっております。
このシステムによる広報が行われたことは複数の方から御確認をいただいているところですが、御指摘の藤塚地区がどうであったかにつきまして、この地区の
屋外拡声装置が流出、倒壊し、正確には確認することはできない状態となっております。
次に、
システム作動状況の調査、検証についてでございますが、今回の津波による倒壊等により再整備する必要があるものは三十三基でございます。
そのうち、制御装置が残っているものにつきましても、倒壊時の衝撃による破壊や海水につかったことによる基盤の腐食等により検証は極めて困難な状態であり、本システムの製造者側からも同様の回答をいただいているところでございます。
次に、
屋外拡声装置の設置位置の拡充についてでございます。
東部地区の住まいの安全の再構築など、復興事業と今回の浸水状況を踏まえ、地域にお住まいの方々へ確実に伝達できる
屋外拡声装置の配置について検討してまいりたいと考えております。また、津波河川遡上に係る地域につきましても、今後実施されます国や県等の知見も踏まえながら、同様に検討してまいりたいと考えております。
次に、
津波情報伝達システムの
パンフレットについてでございます。
パンフレットにつきましては、主に
津波警戒区域内にお住まいの方を対象として、
津波情報伝達システムの概要並びに
津波警報等が発表された際の
避難行動等についてお知らせすることを目的に作成したものです。
パンフレットは約一万部作成し、
システム導入時に
津波警戒区域内の
町内会長等を対象とする説明会で配付いたしましたほか、
当該町内会全戸にもお配りいたしました。なお、
津波警戒区域より西側にお住まいの方々には
パンフレットは配布しておりませんが、同時期に市政だより宮城野区版、若林区版で
津波情報伝達システムに関する記事を掲載し、広報に努めたところでございます。
なお、津波周知に関する説明資料としましては、御指摘の
パンフレット以外に、昨年度、
津波警戒区域図及び津波避難の対応についての
津波避難マップを作成いたしまして、宮城野区及び若林区の
津波警戒区域内の全世帯に配布しているところでございます。
次に、
津波情報伝達システムの
パンフレットの内容についてでございます。
パンフレット中の津波予報に関する説明につきましては、気象庁が
津波警報等を発表する際の大津波、津波、津波注意の種別ごとの解説、発表される津波の高さについて掲載したものでありますが、読む人に誤解を招くという御指摘の点につきましては今後修正してまいりたいと考えております。
次に、新たな
津波対応パンフレットの作成の必要性についてのお尋ねでございます。
今回の震災では、これまでの被害想定や必要な知識の普及など、不十分な面が明らかになったものと認識しております。特に津波からの避難や市民の皆様への情報伝達のあり方等につきましては、作成中の復興計画とも整合を図り、
地域防災計画の見直しに反映させるなど、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
市民の皆様には、これらの取り組みの成果を
パンフレットやホームページなどの媒体を活用し、わかりやすく周知してまいりたいと存じます。
次に、
消防ヘリコプターに関するお尋ねにお答えいたします。
まず、緊急飛行についてでございます。
地震発生時や
津波警報等の発表時には、消防ヘリは情報収集や
避難広報等を任務としております。
こうした災害への出場に当たりましては、離陸までの時間短縮を図るため、事前の点検、
機体取り扱いの習熟などにより、これまでおおむね十五分程度で離陸しているところでございます。引き続き安全で迅速な運航に努めてまいりたいと存じます。
次に、エプロンでの待機についてでございます。
現在、
消防ヘリコプターは霞目飛行場に暫定配置しておりますが、災害発生時にその役割を果たすには、機体が万全に維持管理されていることが何より重要でございます。
そのため、
消防ヘリポートにおきましては、雨、風、さらには雪や凍結などから機体や電子機器等を保護するため格納庫での待機を基本としながらも、気象条件が合致する場合にはエプロンでの待機とし、迅速な運航に努めていたところでございます。
次に、
機体チェックについてでございます。
ヘリコプターが飛行する場合は、航空法及び飛行規程に基づいた飛行前点検と離陸前点検などを行うことが義務づけられておりまして、着陸後間もなくの再飛行の場合であっても、一たんエンジンを停止した場合には同様の点検が必要となります。
次に、
津波警戒区域での広報活動でございます。
地震当日の三月十一日には、揺れが続いている最中から格納庫の扉を開放するなどの離陸準備に入り、発災直後、最初に離陸したヘリは、仙台港石油コンビナート地区から名取川河口までの沿岸部を中心に、高度約百五十メートルで四往復するなど、津波到達まで
避難広報活動を実施しております。
次に、広報試験飛行の実施についてでございます。
これまで、ヘリコプターの拡声装置の作動点検を兼ね、航空隊が単独で広報訓練を行ってまいりましたが、地域の方々が参加する防災訓練等の機会をとらえ、消防ヘリによる避難広報訓練も行ってまいりたいと考えております。
次に、二機目の離陸のおくれについてでございます。
本市の
消防航空体制は、二機で常時一機を運用する体制をしいており、二機目は、大規模災害時には操縦士、整備士、救助隊員が参集し、運用することとしております。こうしたことから一機目との時間差が生じることとなりますが、地震当日は職員の参集後に直ちに活動に入ったところでございます。
次に、想定の宮城県沖地震発生時の状況認識についてでございます。
今回被災した
ヘリポートを現状のまま使用すると仮定した場合、御指摘の宮城県沖地震による津波の規模、職員の参集状況など、さまざまな条件により一概に申すことはできませんが、場合によっては消防ヘリの被災も想定され得るものと考えられるところでございます。
次に、
ヘリポート移転の検討についてでございます。
今回の震災における
消防ヘリコプターによる人命救助や消火活動などの実績から、早急に活動拠点を確保する必要があるものと考えております。活動拠点の確保に当たりましては、これまで
ヘリポートを共同で使用してきた県とも協議を進めながら、具体的に検討を行っているところでございます。
最後に、
パイロット一人体制についてでございます。
消防ヘリは、山岳救助や水難救助、空中消火活動などリスクを伴う飛行が要求されますことから、引き続き、他の政令市同様、
パイロット二名体制により災害活動においても安全な運航態勢を確保してまいりたいと考えております。
以上でございます。
8: ◯二十五番(高橋次男)一点再質問をいたします。
この
津波情報伝達システムでございますけれども、耐震性は震度六強という答弁をいただきました。補正予算で新たに再設置を計画しているということですけれども、今回の地震も震度六強。恐らく、どこではかったのかわかりませんけれども、このシステムは主に海岸線沿いに設置をされてございます。この震度でございますけれども、震度は、例えば太白の場合だと山田、あるいは青葉だと榴ケ岡が基準になっていようかと思いますけれども、もしそこの場での数値であるとすれは、海岸線は地盤がとてもやわらこうございますので、もっともっと揺れている可能性があるということでございます。したがって、耐震性が震度六強ということは耐震性に耐えられなかった部分もあったのかなと思いますので、捜し出し、やはり検証して予算の執行でつけてはということですけれども、その点に関して再度答弁をお願いします。
9:
◯消防局長(高橋文雄)
津波情報伝達システムの耐震強度についての再度の御質問にお答え申し上げます。
今回の地震におきましては、それぞれ仙台市内では震度六強という観測をいたしましたけれども、さまざま仙台市内でも地震計が設置されている場所によりましてはそれぞれ震度の違いがございます。
そういった点も踏まえまして、特に海岸部につきましては軟弱な地盤が予想されますことから、今回倒壊いたしました
屋外拡声装置につきましては可能な限り検証ということを考えてまいりたいと思いますし、また、今回の再整備に当たりましては、これまでの強度でいいのかどうか、それらについても改めて検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
10: ◯議長(野田譲)次に、小野寺健君に発言を許します。
〔四番 小野寺健登壇〕(拍手)
11: ◯四番(小野寺健)民主クラブ仙台の小野寺健です。
私は、ちょうど三年前の平成二十年六月の第二回定例会で、平成二十年岩手・宮城内陸地震から何を学ぶかという視点で代表質疑をいたしました。そのときの質問や当局の答弁を振り返ったとき、もう少し今回の震災までに備えることができたのではないかという自戒の念を持たざるを得ません。
そのときの質問は、初動体制と情報の受発信の重要性、避難所の耐震性や移動距離、設置基準などで、答弁は、
災害対策本部では災害情報を各局、区に伝達して共有化しているほか、各報道機関等にもファクス送信、それから仙台市のホームページでも随時市民の皆様へお知らせするとされていました。しかし、実際は答弁のようにはいきませんでした。
今回の大震災は想定外のこととはいえ、今後改善することはあるはず、そのような視点から以下質問をいたします。
東日本大震災は発生から三カ月を超えました。避難生活を送る被災者は依然九万人を超え、福島第一原発の爆発による放射能の問題がまだ尾を引いています。しかし、戦後最大の危機に直面しながら、国の動きには緊迫感が感じられず、復興の青写真、そして原発事故の収束はいまだ見通しが立っていません。
ところで、大震災以降、数多くの政府高官を含め多くの方々がこの仙台にお越しになったかと思いますが、どのようなところから延べ何人ぐらいおいでになって、そのときどのような発言をされたのか、概略で構いませんのでお示しいただきたいと思います。
私の知る限りでは、仙台にお越しになった政府の要職にある方々は、復旧・復興に関しては全面的に支援をするなどの発言をされていたと思います。しかし、発言からしばらくたちますが、一向に国の財政の担保の話や具体的な施策が見えてきません。仙台市もこの間、市長会、議長会を通じて、または直接国に要望を繰り返していますが、国はどうにもこうにも動きが鈍いようです。この点について本市の認識を伺います。
あわせて、もし万が一、国の財政負担や支援制度の確立がなされない場合どうするのか。仙台市独自で財源を手当てしていくのか。取り急ぎ最低のことを行うなど、現実的な対応に変えていくのか。このことは仙台市が想定する復興計画に多大な影響が出ると思います。所見を伺います。
中でも、宅地は救済されるのかされないのか。もし国がゼロ回答であった場合、市としてはどのような対応をするのか。被災地の首長である市長が要望し、政府の要職にある方々が前向きに発言しておいて何もないことは、許されないことだと思います。市長は、断固国に対して対応を求めるべきで、先に事業を行い、請求を国に回すくらいの老獪さ、大胆さも必要になってくるのではないでしょうか。奥山市長に所見を伺います。
折立、緑ケ丘、松森といった大規模なところから、加茂、黒松、泉パークタウンといった比較的小規模なところまで、今回の大震災の影響で地盤が緩んだ丘陵地には大雨による地すべりや土砂崩れなど二次災害の危険があります。
仙台市は、六月十五日、梅雨入りを前に市内の百六十一世帯に新たに避難勧告を出すと発表しました。新たに対象となるのは、青葉区、太白区、泉区の三十二地区。震災後、二千七十八の宅地が危険や要注意と判定されていて、今後も雨水被害の状況により勧告地域を拡大する可能性があるとのことです。該当地区は、相次ぐ余震によって地すべりが進み、危険な状況になっているところもあり、二次災害を防ぐためにも適切な処置が急がれています。
私は、数カ所住民説明会に伺いました。説明会では、市当局からボーリング調査、土壌の分析、応急処置を行っていることを説明されておりました。住民からは、崩れた土砂がそのままで、復旧工事の時期も工法も決まらないことから不安で暮らしていること、宅地被害もさらに拡大していること、宅地地盤の復旧なくして住宅再建、生活再建は成り立たず、宅地被害への公的支援制度を早くつくってほしいなど、強い要望がありました。このように対象住民の方々は日々不安を抱いておりますので、まめに説明、報告やパトロールを願うものですが、所見を伺います。
次に、初動体制と情報の受発信の重要性について伺います。
このことは平成二十年の第二回定例会でも質問していることでございますが、災害発生時にやはり必要なのは、市民お一人お一人にいかに必要な情報を伝え、情報格差や情報過疎地区をなくしていくかだと思います。
今回の大震災において、私も避難所の設営、運営と市、区の
災害対策本部からの情報入手に努めました。そこで気づいたのは、正確な情報を入手することの難しさと情報を発信することの大切さでした。
まず情報の入手ですが、今回、通信回線がダウンして、各区役所と本庁で一時、通話、ファクスが不通に、報道機関との連絡手段も途切れました。避難所と区役所において動くはずであった防災無線も使用できないところもありました。想定外だったこともあると思います。通信は災害時優先的に使用できる回線だと思っていたのですが、そうでなかった。防災無線は、配備されてはいたけれど、扱うことのできる人が限られ、また
バッテリーのトラブルもあったこと。
また、発信の部分では、組織として広報部門の脆弱さが見られました。現状、広報課は課長を含め十五名。その大半は市政だよりを担当する職員で、報道担当は三名。広報課長や係長が
災害対策本部に行って広報担当になれば、庁内の情報収集や避難所向け情報誌の発行、ホームページの情報発信などができない状態になります。
私は、このような非常時、広報の担当できる職員を増員するべきで、例えば広報課に在籍したことのある職員を臨時に招集することや総務企画局内であらかじめ応援の職員を指定するなど、改善が必要だと思っています。通信の件、緊急時広報のスタッフの充実の件について、既存のマニュアルの見直しなど、より実態に合った展開を求めたいと思います。
今回の大震災において情報発信の観点から悩ましかったのは、どんなにマスコミの皆様に情報をお伝えしても、肝心の仙台市内においてはテレビを見ることができず、地域内に届けたい情報でも、結果として仙台市を含め被災地以外の方々に情報を届けている結果になるという情報のミスマッチが起こったことでありました。また、福島の原発事故が発生してからはほとんどそのニュースになってしまい、リアルタイムで伝えたいことが取り上げられない状態になったことです。
しかし、そのような中でも活躍したのがラジオ放送でした。送信所が津波の被害に遭ったり非常用の電源が確保できなかったり、スタジオ自体が被害に遭い放送に支障のあった放送局もあったようでけれども、県域のFM局Date fmは、地震発生以降、電波も途切れずリアルタイムに地域の情報を届けていました。
一般にFM局は市政記者会に加盟していないため、市政のニュースは届きにくい状態にあると思いますが、今後はこういったFM局とのつながりもぜひ太くしていっていただきたいと思いますが、あわせて伺います。
関連しますが、山形県では、県内外への発信が必要な情報を時系列に整理した情報提供リストを作成し、大震災での県の広報対応を教訓として、今後の危機管理体制づくりに役立てるそうであります。リストには、公共交通、医療機関、ライフラインの復旧状況と物資、ボランティアなどに関する情報提供が、災害発生後どの段階で必要となるかを時間の経過に沿って示し、広報手段についても、マスコミ対応のほか、知事からの発表や市のホームページ、テレビ、ラジオのデータ放送、広報紙などのタイミングをいかに活用するかといった目安を職員が共有できるようにするということであります。
このことは仙台市でも必要なことです。必要とされる情報は刻々と変わります。山形県に倣い、あらゆる手段を使って情報発信のできる可能性があることを庁内で共有し、適切な問い合わせ窓口をつくるなど迅速な対応につなげてみてはいかがでしょうか。
本市のホームページについても伺います。
ホームページは専門の企業に作成を委託するのが一般的で、市側で手を加えられるのは決められた場所の掲示内容の更新や変更程度で、閲覧者の声をすぐに反映できないというのが不便で、昨年、仙台市では平易に職員が更新できるシステムに変更しました。しかし、それに伴って私には市民から、情報がわかりづらい、どこに必要な情報があるのかたどり着けないといった声もいただいています。
そこで伺いますが、システム変更前と後で月平均アクセス数はどのように変化しているのでしょうか。また、震災以降どれぐらいの方々がアクセスしたのかお示しいただきたいと思います。あわせて、ホームページに関して市民の皆様から御指摘があるのであれば示してください。
東日本大震災の発生でアクセス数は急増していると思います。二十四時間、市民に情報提供する自前の媒体として再認識していただいて、ホームページの利活用を進めていただきたいと思います。
また、震災後一カ月経過した四月、私は泉区の五千名の皆様にアンケート調査を行いました。回答数は三・三%、百六十五名の皆様に回答いただきました。ありがとうございます。
アンケートによると、地震直後に知りたかった情報は、地震の震源地や規模などが八割、家族の安否が七割、自宅地域の被災状況が六割でした。今回の地震で困ったことは、携帯電話の不通、これが九割強で特に高く、そのほか、固定電話、携帯電話のメール、家族や親戚、知人との安否確認なども高くなっていまして、今後の地震対策としては、非常持ち出し品を用意することが五割台半ば、家族と連絡方法を取り決めしておくことが五割弱、家具固定と家族との落ち合い場所を決めていくことが四割となっています。
今回、通信障害で電話がつながりにくい状況が続く中、インターネットを使った情報交換が活発となりました。ツイッターなどのソーシャルネットワーキングサービスでは、被災者に対する呼びかけやボランティア、人道支援に関する呼びかけ、医師による健康相談などが行われていました。デマなども心配されましたけれども、良心的なユーザーが打ち消してくださったようです。
仙台市において、ツイッターやフェイスブックなどのITメディアを利用しないのはなぜでしょうか。少しでも自前で発信できることのできる媒体を持つべきで、今後は利活用していくべきだと思いますが、所見を伺います。
次に、避難所について伺います。
文部科学省は、
東日本大震災を教訓に、学校施設の安全性の向上と避難場所としての機能強化に向けた検討に入っているようです。有識者による検討会を省内に設置し、学校施設の安全性の向上や避難場所としての機能強化策、バリアフリー化や福祉施設の複合化を初め、学校の施設設計のあり方を協議するそうでありますが、現時点で当局でこのことについて得ている情報があればお示しください。
指定避難所についてですが、私はバランスよく配置するべきだと思っています。今回の災害で基本的に小中学校を基本とした公共施設に避難所が開設されていましたが、高齢者の方など移動距離等で避難を断念した方が数多くおられます。例えば泉区の紫山や青葉区の錦ケ丘などは、現状小学校がないためにコミュニティ・センターもなく、避難所となると距離がある隣の地区に行かなければいけない状態にあります。
そこで提案ですが、例えば、紫山には私立ではありますが仙台白百合学園が、錦ケ丘には仙台市天文台があります。このような施設に依頼し、指定避難所にすることはできないのか。指定避難所の指定を今回の大震災により見直し、配置バランスを考慮しながら考えていくべきではないのか、所見を伺います。
関連して、コミュニティ・センターの設置基準について伺います。
現行、仙台市の基準によって、その設置は小学校区に設置することになっています。現状、ある程度の規模で小学校が開設されていないがために設置されていない箇所があります。今回の紫山、錦ケ丘が一例ですが、コミュニティ・センターが設置されているところの基準を見ますと、最少の世帯数は百五十七世帯、人口五百二十八名の坪沼小学校区、最大の世帯数は九千八百六十世帯、人口一万八千五百五十七名の上杉山通小学校区とかなり相違がある中で、紫山は千三百八十一世帯、人口四千四百四十名、錦ケ丘は千七百七十三世帯、人口五千三百八十四名です。
私は、地域的にアンバランスの状態を解消するべきだと考えます。基準として一概に小学校区という基準で一くくりにするべきではなく、その地区の歴史性や特性、生活形態など柔軟に考えるべきで、市の基準も弾力的に運用していく必要性があると考えます。市民局長の前向きな答弁を求めます。
最後に、心のケアについて、通学路の安全対策について数点伺います。
厚生労働省が都道府県に委託して行っている電話相談に対し、
東日本大震災の被災者から、地震が怖くて落ちつかない、被曝対策はどうしたらいいのか、などの相談が七百件以上寄せられているそうです。今回の大震災で身の危険を感じられた方や、報道による映像で強い精神的なストレスを受けている方が数多くおり、ストレスにより急性ストレス反応を起こしておられる方もおられます。このような状態に対し求められる心理的援助は、自分は一人でないという心のつながりを提供することが重要です。心配なことは我慢せず、話せる相手がいることは心強いものです。
急性ストレス反応は比較的短期でおさまるとされていますけれども、長期にわたって続く場合は二次性の障害を生じていると考えられます。この場合、精神的苦痛もさることながら、その後の生活、人生においても回避や歪曲といった行動をもたらすことになってきます。地震に対しても、自分が悪かったからと自責的になってしまったりします。具体には、地震に関する情報を避け、現実的に必要な行動をとれなくなったり、家族が亡くなったのは自分が適切な判断をしなかったからと後悔したり、思いどおりの援助を得られないと周囲に不満を覚えたりということを起こしてしまいます。
仙台市においても、大震災以降、支援策はとっておりますけれども、長期的な視点で取り組んでいただきたいと思います。被災による心の影響は潜在化しているとも言われていまして、未経験の問題でもあるだけに、さらに手厚い相談体制の整備を求めますが、所見を伺います。
通学路の総点検と安全対策についてです。
今、東部地域では瓦れき運搬車が猛スピードで走っております。現実の道路状況や工事現場の急増は、通学する子供たちにとって大変危険な状態であります。また、傷んだ道路や歩道は市内随所に見られ、二次災害の可能性がある危険な箇所も見られます。至急、通学路の安全性の総点検を行い、また現場の安全、警備の強化徹底を指導し、子供たちの安全を確保すべきだと考えますけれども、教育局の所見を伺います。
最後ですが、震災復興ではとかくハード面の地域振興が重視されます。実際、インフラや生活空間をもとに戻すことは重要なことです。しかし、本当に大切なのは、復旧された中で新たな暮らしを築いていかなければいけない住民へのサポート、特に高齢者や若年者へのケアだと思います。被災地における持続可能な地域振興では、ハード面での活動とともに、ソフト面も関連し連動した取り組みが求められていくと思いますけれども、この点について奥山市長から所見を伺い私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
12: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小野寺健議員の御質問にお答えを申し上げます。
国の震災対応についてのお尋ねでございます。
東日本大震災は、被害が地方自治体の範囲を大きく超え、極めて広い範囲に及んでおりますこと、また、被害の甚大さが過去の震災とは比較にならないほど深刻かつ重大でありますこと、これらに照らしまして、国における対応を基本とすべきであることを、発災以来繰り返し申し上げてきたところでございます。
大震災の発生から三カ月が経過をいたしましたが、この間、内閣官房長官を初め内閣府や総務省の副大臣の方々など、おおよそ六十人ほどの政府関係者の皆様がこの仙台を訪れ、被災の状況を具体に把握された上で、本市の要望について前向きに御検討をいただける旨のお返事をそれぞれにいただいたところでございました。
その結果、応急仮設住宅におけます民間賃貸住宅の活用に当たっての取り扱いの柔軟化など、要望に沿った形で御対応を示していただいた部分も多々ございますけれども、災害復旧事業補助金の一括交付金化でありますとか、お話にございました宅地被害への支援策など、いまだ実現への具体的な道筋が示されておらない状況もございますことは、率直に申し上げまして甚だ遺憾であると言わざるを得ないものでございます。
このたびの大震災からの復旧・復興は、いわば国策として対応いただくことが大きな前提でございまして、今後、国への働きをさらに強め、速やかな復旧・復興に向けまして鋭意取り組んでまいる所存でございます。
このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
13: ◯震災復興本部長(山田文雄)私から、ソフト面と連動した地域復興に係る御質問にお答えいたします。
被災された皆様の生活再建にとりまして、住宅の確保を初めとするハード整備と各種支援などのソフト事業を連携させながら取り組んでまいることが必要と認識いたしております。
高齢化が進む東部の津波被害地区を例といたしましても、集団移転等の事業の具体化に当たりましては、住宅の確保を初めとする東部の地域づくりに加え、生活を支える雇用の確保や個々の状況に応じた心のケア、教育や医療環境などのソフト事業を連携させながら取り組んでまいることが必要になるものと存じます。
被災された皆様の生活再建に向け、お一人お一人の実情を把握し、その方に合ったきめ細かな再建プランの構築に努めるとともに、ソフト面と連動した
まちづくりに意を用いながら、一日も早い生活再建に向けて取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
14: ◯総務企画局長(藤本章)災害時の情報受発信についての数点の御質問にお答えいたします。
まず、課題の見直し等についてでございます。
災害時におきましては、市民の皆様に、刻々と変化する状況の中で可能な限りの手だてを尽くし、被害報、公共交通機関、ライフラインの状況、避難所に関する情報などを的確に発信していくことは大変重要でございます。
しかしながら、今回の大震災の初動期におきましては、大規模停電の発生、電話、ネット回線の途絶という大変大きな制約がございました。この途絶のため、当日は、まずテレビ、ラジオにより、また夜十時には暫定版ではございますがホームページを立ち上げ、それにより情報発信をせざるを得なかった、こういうことがございました。また、避難所等の現場の状況を把握する手段がないということでありましたために、実態に即した対応が十分でなかったという点がございます。
また、御質問にもございましたが、ラジオは非常に災害時における有効な広報媒体の一つであると認識いたしておりまして、市内すべてのラジオ局と災害協定を結び、今回の震災では、市政記者会に属していない局に対しましても情報提供を行っております一方で、発災当初の途絶の状況により十分な情報提供が行えず、必ずしもすべての局に情報を行き渡らせることができなかったという点がございました。
こうした状況を踏まえまして、このたびの経験を踏まえ、今後ですが、
地域防災計画等の見直しの中で、ただいまさまざまな御指摘をいただきました御提案も含め検証を行い、非常時でも機能する情報提供のあり方など、実践的な広報体制の整備について鋭意検討してまいりたいと存じます。
次に、情報提供リストの作成の試みについてでございます。
災害広報を円滑、迅速に行うため、本市におきましても必要となる広報内容をリスト化しているところでございます。
しかしながら、今回の震災では、情報集約の役割分担や広報のタイミング、使用する広報媒体などについて、より具体的に各局、区と整理しておく必要があると認識したところでございます。今後、マニュアルの見直しを進めまして、組織としての広報対応力の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、ホームページへのアクセス状況等についてでございます。
本市のホームページのアクセス件数は、従前、月平均約二十二万件でございましたが、リニューアル後の二月は約三十二万件、震災後の三月以降は月平均約八十一万件となっております。
市民の方からは、震災関連情報をタイムリーに知りたいという御要望が寄せられ、六月からホームページの更新状況をメールで配信するサービスも開始したところでございます。
ホームページは、市がリアルタイムで直接発信できる貴重な広報媒体でございますので、今後とも市民の皆様が利用しやすくなるよう、さらに工夫を重ねてまいりたいと存じます。
最後に、ITメディアを活用した災害時広報についてでございます。
このたびの震災での一連の広報対応におきましては、多様な広報手段の確保が重要であることを改めて認識したところでございます。
御指摘のいわゆる新しいITメディアにつきましては、その利用者がまだ限定的であること、場合によっては誤った情報が拡散しやすいなどの指摘もありますことから、本市ではまだ利用してこなかったところでございます。
今後、今回の震災でいわゆるツイッターなどが果たした役割と問題点を検証しまして、高齢者等との情報格差にも十分留意しながら、その活用の可能性について検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
15: ◯市民局長(高橋一典)コミュニティ・センターの設置基準についてお答えいたします。
コミュニティ・センターの整備は、町内会など地域のさまざまな団体の活動範囲などを踏まえ、身近な生活圏である小学校区を原則として進めてきたところでございます。さらに、中学校区単位に市民センターを配置することで、全市的なバランスを考慮しながら地域施設の整備を推進してまいりました。この設置基準につきましては、市民の皆様から一定の御理解をいただいているものと受けとめております。
設置基準の弾力的な運用ということでございますが、財政事情もございますので、設置基準の拡大運用を早急に図ることは難しいと考えております。
一方、市民主体の地域づくりを進める上で、今後、地域施設の役割はますます高まるものと認識しており、引き続き、それぞれの地域ごとに地域の特性や地理的条件、コミュニティーのまとまりなどについて具体的に把握し、その地域における適正な施設の配置などについて調査、研究してまいりたいと考えております。
16: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、被災者の心のケアについての御質問にお答えを申し上げます。
発災直後から精神科医や臨床心理士等によるこころのケアチームを中心に、津波被災地区や避難所において被災者の心のケアに取り組んできたところでございます。
御指摘のように、今回のような大災害に見舞われた場合、被災者の心に対する影響は、比較的早期にあらわれる急性ストレス反応や、心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSDのように後になって顕在化し長期化するケースもあると認識しております。
したがいまして、今後とも、精神保健福祉総合センターや区役所の相談窓口、並びに本市や専門機関の電話相談の周知に努めますとともに、仮設住宅等への訪問相談を行うなど、継続的な支援に鋭意取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。
17: ◯都市整備局長(高橋秀道)避難勧告地域への細やかな対応についてお答えをいたします。
現在、地質調査を実施している箇所につきましては、これまでも調査結果の中間報告や説明を行っているところでございます。
給水所では給水袋を用意いたしまして、容器をお持ちでない皆様にお配りしたところでございます。本市で備蓄しておりました給水袋につきましては約一万六千枚、応援各都市が用意していただきましたものが数千枚お配りしておりまして、有効に利用されたものと考えております。
また、給水袋につきましては、防災訓練や水道フェアなどの際に参加された方に配付いたしまして、使用方法や便利さなどを周知してきたところでございます。
次に、非常用飲料水貯水槽についてでございます。
貯水槽は、市内の水道施設の配置状況などを考慮いたしまして、南東部を中心に指定避難所や学校などに二十一カ所設置しておりますが、今回津波被害を受けた二カ所を除き、有効に活用されております。
この貯水槽には発電機と電動ポンプを用意しておりまして、当初はこれを用いましたけれども、その後、燃料の確保ができず、手動での給水となってしまったものでございます。
今後につきましては、今回の震災における経験、市域全体から見た配置バランスや費用対効果、駐車スペースの問題など、これらを検証しながら、配水幹線上に設置してきております応急給水栓などの整備とあわせ、計画的に施設を増設し対策の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、給水車などへの給水拠点としての配水所、配水池の利用についてでございます。
今回、停電の長期化や自家発電装置の燃料不足などによりまして、有効に機能し得ない面がございました。一方、浄水場につきましては、被害が軽微であり、通常稼働が可能でございましたので、主に浄水場で応急給水用水を確保し、給水車を市内各所に配したところでございます。
水道の災害対策といたしましては、断水自体の抑制、また、断水が生じた場合には速やかな復旧を図ること、これを対策の基軸とすることが重要と考えております。
これまで取り組んでまいりました配水系統の二系統化や市内の給水エリアを細分化するブロック化などの水運用システムの構築、そして送配水管の耐震化、こうした事業を引き続き推進いたしまして災害に強い供給体制を整備していくことがまず基本と考えております。
また、今回の教訓からは、停電の長期化への対応、燃料の確保対策などについて意を用い対策を講じていくことも重要と考えております。
以上でございます。
────────○────────
63: ◯副議長(渡辺公一)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
64: ◯副議長(渡辺公一)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、本会議は、明日、定刻再開の予定であります。
本日は、これをもって延会いたします。
午後四時四十六分延会...